皆さまの「ごま」に関するエピソードをご紹介②
皆さまの「ごま」に関するエピソードをご紹介②
カタギ食品は大阪府の栄養士団体HNSさんにご協力いただき、「胡麻やさ塾」という、ごまの知識を深める会を作っています!
「胡麻やさ塾」のメンバーの方とは、ごまに関する勉強会などを行っており、よりごまを好きになってもらい、ごまを啓蒙していただいております!
一般社団法人健康栄養支援センター(HNS):https://hns-japan.com/
前回に引き続き、今回はそんな「胡麻やさ塾」のメンバーの方が書いてくださった、ごまにまつわるエピソードやコラムをご紹介させていただきます♪
①管理栄養士Kさん「すり鉢とすりこ木」
「本ばっかり読んでいないで手伝いなさい」と、夕方になると母が私を台所に呼ぶ。
季節による手伝いの思いでは様々あるが、春が印象に残っていて、えんどう豆のさやむきやタケノコの皮むきなどであった。
タケノコは外側が硬く大きく、だんだんと柔らかく小さくなっていくのが面白かった。
大人になって料理本を読むようになると、タケノコは皮付きのまま茹でると知った。
今、思い起こすと、家族が多かったので皮つきのまま茹でると一回で済まないためだったと思う。
もっとも嫌いだった手伝いが、いりゴマをする作業であった。香ばしく炒ったゴマを、自分の頭の倍以上あるすり鉢と手に余るすりこ木で、油が出るまですり潰すのが、大変しんどかったのを思い出す。
妹がすり鉢を押さえ、私がすりこ木を扱う役だったと記憶しているが、実際は交代ですりつぶしていたと思う。
一人でした時は、母が、ホウレンソウなどのゴマ和えを小鉢に盛り分けた後、すり鉢にホウレンソウを少し残し、炊き立てのご飯を一口いれて、手で口に運んでくれたのが美味しく、嬉しかった。
以前、子どもクッキングで、すり鉢、すりこ木を知らない子どもたちに、ゴマすり体験をしてもらったことがある。
すりこ木の使い方や、すり鉢の話などをすると、たいへん興味を持ってくれたことがある。見学の保護者達も子どものゴマすり体験は好評であった。
今は、健康に良いゴマをとりたい時は、市販のすりゴマを使ったゴマ和えを手軽にすることが多くなった。
料理には手軽に栄養素の高いゴマを摂ることは重要であるが、香りは料理の味に大きく関わることを見直してみたい。
ゴマの加工調味料の種類も増えてきたが、昔ながらの調理も見直したいと思う。
②管理栄養士Nさん「胡麻」
ある日、胡麻を友人にあげた。なぜかお菓子をあげたときより喜んだ。
他の日に別の知人に胡麻をプレゼントした。いままで見たことない無邪気な喜びかたをした。
また別の日、仕事の出張先でお世話になるので、菓子折りと一緒に胡麻も持参した。
立派に包装された菓子折りよりも、胡麻の袋を手に取り、ありがとうと喜んだ。
「あれ?皆、すごい胡麻好きやん。」これに味をしめ、沢山の友人知人に胡麻を差し上げては喜んでもらっていたのだが、ただ一人だけ「歯に挟まるから私はいらない」と言われた。
初めての反応にうろたえ、その場は引き下がったが、その方には近いうちに「練りごまをアイスにかけてみて、最高に美味しいから」と歯には挟まらない練りごまのプレゼントでリベンジするつもりだ。
私はアラフィフで、幼少の頃、胡麻は自宅で炒ってから料理に使う食品であった。
穴の開いた蓋付きの直径10㎝程度の小さな丸い胡麻専用のフライパンのような炒り器に、胡麻を入れて、コンロの火にかけて焦げないように浮かせながら、中に入れた胡麻を円を描くように動かしながら炒ると、段々香ばしい胡麻の香りが台所に広がった。
炒りすぎるとすぐに焦げてしまうので注意が必要だ。
胡麻を炒る行為が子供の私には楽しそうに思えて、何度かお手伝いで胡麻を炒らせてもらった記憶がある。
炒りたての胡麻をすり鉢ですった胡麻の味は格別であった。胡麻は常に家にあった。
数年前、カタギ食品の方から、胡麻を常備している人が少なくなったと聞いた時、驚いた。時代は変わったのだなと実感した。
一方で加工品の胡麻は売れているそうだ。
先に書いたようにプレゼントすると大概皆一様に喜ぶので、日本人は胡麻が好きな国民であることには今も昔も変わりないと感じている。
セサミンのサプリも人気がある。
胡麻の機能性に着目し、私もその恩恵に与ろうとサプリではなく胡麻そのものをスプーンでそのままボリボリ食べる実験を2週間してみた。
大さじ2杯分の胡麻をそのまま食べる。
ああ、胡麻は美味しい。
香ばしくて噛み応えもあり間食としての満足度も高かった。空腹感がなくなり、腹持ちもよく、菓子を食べたい欲求もおさまった。
これで何かサプリ並みの効果があるなら!と続けてみたが、自分の体に特に変化はなかった。期待しすぎた。
そういえば胡麻はただの食品だ。副作用もない、安全な食べ物だ。何世紀にも渡り、世界中で食され愛されてきたただの食べ物だ。
2週間程度の実験で何かを期待した自分は愚かであった。
胡麻が体に良いことは、皆なぜか知っている。じゃあ具体的にどう体にいいのかなんて、ほとんどの人は知らない。
けれど皆、感覚的になんか体にいいんでしょと胡麻を信じて疑わない。
時代の流れにあわせて、胡麻もいろいろな料理に形を変えながら私達の食卓に存在してきた。
私達が「胡麻は体にいいもの」と感じてきたからに違いない。
胡麻は美味しくて、なんか体にいいものだから、これからも食べ続ける。
③管理栄養士Kさん「想い出の香り」
香りから昔の記憶がよみがえることがありませんか?
「プルースト効果」というそうです。”失われた時を求めて“の作者、マルセル・プルーストの名前がその由来となりました。
嗅覚からの刺激は、脳の中の自律神経系を司る視床下部に直接送られるため、他の五感より感情や本能、記憶に働きかける力が強いそうです。
胡麻油のいい香りを嗅ぐと、私は子どもの頃に家族と作った餃子を思い出します。肉だねを練る時、焼く時に、そして醤油と酢を適当に入れて作ったタレに最後に加える時、胡麻油のいい香りが食欲をそそり、いくらでも食べられました。
父は料理が好きで、たまに皮も手作りしていました。私も生地をこねたり、丸く伸ばしたりするのを手伝いながら、なかなか思うように薄くきれいに形を整えられず苦心しながらも、その作業が楽しかったのを覚えています。
そうしてできた餃子は、大きく皮も分厚いもので、一つ一つ仕上がりも違います。通常のサイズの3倍はあり、出来上がりは正直不格好です。ですがかえって手作り感を生んで、モチモチとした食感で食べ応え十分でした。
今は、なかなか皮から手作りすることはなくなってしまいましたが、餃子はよく作ります。肉も野菜もいっぺんに摂れて栄養満点、手軽なので、食欲の落ちる季節にもピッタリです。
フライパンに胡麻油を入れて餃子を仕上げていると、遊びから帰ってきた息子が、
「いいにおい!ごはん何?」と、聞くので「餃子やで!」と答えると「よっしゃあ!」。
お店の餃子はもちろんプロの味で美味しいのですが、我が家の手作り餃子も捨てたものではないかもしれません。
私の両親は数年前に亡くなって、もう一緒に手作りすることもできませんが、私にとってずっと家族の想い出であるように、息子にとってもそんな温かい記憶になるといいなと思います。
いかがでしたでしょうか。
小さなごまがご家庭の食卓に彩りを加えたり、日々の生活にエピソードを加えられていることは、ごまメーカーの我々にとってとてもうれしいお話です!
カタギ食品のHPではごまの栄養についてはもちろん、ごまの栽培やごまの歴史などについても記載しております。
少しでもごまに興味をもって、好きになっていただけますと幸いです!
是非ご覧ください☆